日本美のミュージアムホテル、ホテル雅叙園東京では、館内に有する東京都指定有形文化財「百段階段」にて「月百姿×百段階段~五感で愉しむ月めぐり~」を、2024年10月5日から12月1日までの期間開催しています。 浮世絵に描かれた景色が飛び出したような空間展示や、幽玄な月アートと建築とのコラボレーションなど、今昔の月が照らし出す月景色が、深い没入感をもたらします。 また開会に合わせ、月をテーマに深まる秋をイメージした「月アフタヌーンティー」も11月15日まで提供しています。
今昔の月が照らし出す月景色
2,000本以上のススキが文化財に広がるインスタレーションアート(草丘の間)
「月百姿(つきのひゃくし)」は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師・月岡 芳年が、月にちなんださまざまな物語を描いたシリーズです。 「月百姿×百段階段~五感で愉しむ月めぐり~」では、「月百姿」より、前後期に10点ずつの浮世絵を展示するとともに、現代のアーティストによる月をモチーフにした作品を展示し、文化財建築を幻想的に彩ります。
月岡 芳年が紡ぎ出した月の世界を堪能
竹取物語のラストシーンを表した『月宮迎 竹とり』
浮世絵に使われている紙や絵具は繊細で、強い光が当たると色が褪せてしまうため展示室では暗さが必要になります。その本来の正統的な展示で、浮世絵師・月岡 芳年の晩年の連作「月百姿」より 20 点を前後期に分けて楽しむことができます。彫りや刷りの美しさや、大胆で迫力のある構図、しみわたる月の静けさを感じながら過ごすことができます。
約130年前の作品を堪能
演出効果により鮮やかに浮かび上がる作品
「月百姿」のシーンをイメージしたインスタレーション
「月百姿」のシーンをイメージしたインスタレーション
浮世絵のワンシーンのような一枚を
「月百姿」には、ススキが描かれた作品も多く残されています。浮世絵に描かれた風景がそのまま飛び出してきたような空間展示が「草丘の間」に出現。展示会場を埋め尽くす2,000本以上のススキの中に、直径2mの満月が浮かび上がります。
ススキたなびく草原で浮世絵のワンシーンのような写真撮影が叶います。
浮世絵に描かれた満月が会場に出現
水をテーマにした繊細なガラス作品も(ゆきあかり 作)
ガラスの中に綴られた源氏物語(玉田 恭子 作)
琵琶湖のほとりにある石山寺にこもり湖に映る満月を眺めていた時に構想がひらめいたと伝えられている「源氏物語」。文机でぼんやりと頬杖をつく紫式部が描かれた作品「石山月」から着想を得た空間展示は水と月をテーマにしました。
v 素材と色彩にこだわったダイナミックな展示が絢爛豪華な漁樵の間に溶け込みます。
現代の技術や感性で表現された月
独自の技法で和紙を操り月の凹凸を表現(伊藤 咲穂 作)
現代作家による多種多様な作品が展示に華を添えています。 独自の紙漉きの技法で月と地球の呼応を表現した作品や、自然の光をテーマにガラスで水面に映る満月とさざ波を表したガラス、現代の日本画家と文化財建築に描かれた日本画のコラボレーションなど、現代作家の個性が幻想的な空間をつくり出しています。 五感に響く幽玄の美を楽しんで。
満月の夜に水面に映る月の光とさざ波(小島 有香子 作)
文化財建築に溶け込む月と稲妻の神秘(岩谷 晃太 作)
ティースタンドに浮かぶ月を愛で、深まりゆく秋を堪能「月アフタヌーンティー」
またNew American Grill “KANADE TERRACE”では、「月百姿×百段階段~五感で愉しむ月めぐり~」の開会に合わせ、月をテーマに、深まる秋をイメージしたアフタヌーンティー「月アフタヌーンティー」を、2024年10月5日~11月15日の期間限定で提供しています。
スイーツは、ごろんと入った栗が半月のような「和栗のパウンドケーキ」や、柿のコンポートと桂花陳酒のジュレを月のきらめきに見立てた「早生柿のパンナコッタ」など、月を連想させる品々のほか、ペストリー料理長生野剛哉氏が六甲山で見た秋の景色から着想を得て誕生したかぼちゃのタルト「紅葉」がミニサイズで登場。ベースになるアーモンドと白餡のタルトに、裏ごししたかぼちゃ餡を竹串でのせていく和菓子の技法を取り入れ、木々が秋色に染まる様子を表現しました。